新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、「賃貸物件のオーナーが賃料の減額を行った場合の取扱い」についてなどが国税庁より公表されています。
新型コロナウイルス感染症の影響により、テナント経営等を行う事業者が売上の急激した取引先(テナント・賃貸人)からの要望を受けて「賃料の減額」を行った場合、その賃料の減額が一定の要件を満たしている場合には、実質的に取引先との取引条件の変更と考えられ、減額分の差額については「寄付金」に該当しないと示されています。
さらに「賃料の減額」ではなく「既に生じた賃料(未払分)の減免」を行った場合であっても同様の処理であると明示されています。
また、消費税率が8%から10%に変更されたことによる、資産の貸付けの消費税率等に関する経過措置の適用を受けている場合であっても、コロナウイルス感染症の影響による家賃の減額は「正当な理由に基づくもの」として取扱われるため、消費税率等に関する経過措置が継続されます。
なお、これらの取扱いは不動産に限らず、事務用機器などの貸付けについても同様に取扱われます。
一定の要件とは、次の要件です。
①取引先等において新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること。
②賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること。
③賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます。)内に行われたものであること。
上記②の要件にもあるように、書面により新型コロナウイルス感染症を踏まえた支援であることを明示する必要があるため、覚書等を作成し、保存する必要があります。