蛍光灯を蛍光灯型LEDランプに取り替える費用の取り扱いについて

節電効果や使用可能期間等の向上の観点から、自社の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプへ取り替えた際の処理について、お知らせします。

① 自社の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプへ交換する場合。
自社の蛍光灯を蛍光灯型LEDランプへ取替え交換する場合の費用は、全額修繕費として処理することが相当です。これは蛍光灯型LEDランプは、照明設備(建物付属設備)がその効用を発揮するための1つの部品であり、かつ、その部品の性能が高まった事で、建物付属設備として価値等が高まったとまではいえないと考えられるからです。

② 建物の天井のピットに装着された照明設備(建物付属設備)の改良と併せて蛍光灯型LEDランプへ取り替えた場合。
①の取替えは、照明設備の工事は特に行われていない前提であるため、照明設備本体の改良に併せて行われた蛍光灯型LEDランプへの取替えについては、資本的支出と考えられます。

③ 購入ではなくリースにより蛍光灯型LEDランプを交換した場合。
蛍光灯型LEDランプを所有権移転外リース取引により交換をした場合には、リース資産の所有権は移転していない等の理由から、修繕費として処理する事はできず、一般的なリース資産と同様に、「リース期間定額法」でリース期間に応じて償却限度額の計算をする事となります。さらに、蛍光灯型LEDランプをリース期間終了後、引き続き使用するために、そのリース資産を購入した場合の購入価格についても、修繕費として処理できず、法人が同じ資産の区分である他の償却資産に採用している方法に応じて償却限度額を計算する事となります。

取替えの方法によりその処理が異なり、損金化されるタイミングも異なるため、どの方法により取り替えを行うかは、ご検討ください。

平成30年度税制改正大綱について

平成29年12月14日、自民、公明両党が平成30年度税制改正大綱を決定しました。
その主な改正点についてお知らせします
法人課税関係では、生産性向上のための設備投資と、持続的な賃上げの後押しを要件に税額控除が認められる改正や、経営者の高齢化が急速する中、代替わりを促すため事業承継税制の抜本的な拡張などが盛り込まれています。
所得税関係では、平成32年1月からの施行とし、給与所得控除額、公的年金等控除額を10万円減額され、基礎控除の控除額が一律10万円引き上げとなりますが、合計所得金額が2400万円を超える個人については、所得金額に応じて控除額が逓減していき、2500万円超で基礎控除額が消滅する改正などがあります。
また、大法人について、法人税・消費税・地方法人二税の電子申告の義務化について明記されました。
その他にも、たばこ税の見直しなど多岐に渡る改正点があります。

平成30年度税制改正大綱による各改正点の、施行による具体的な変更点については、法改正が決定された後速報として、当ホームページにお知らせを掲載させていただきます。

福岡県内の全市町村の個人住民税の特別徴収の徹底について

福岡県内の全市町村では、給与所得者(従業員)の方々の納税の利便性の向上と税負担の公平性を図るために、個人住民税の特別徴収を徹底することとなっています。
個人住民税の特別徴収とは、所得税の源泉徴収と同様に給与の支払者である事業主が、従業員に毎月支払う給与から個人住民税を差し引き、納税義務者である従業員に代わって市町村へ納入する制度になっています。
所得税の源泉徴収義務者は、法令により特別徴収義務者として指定され、個人住民税を特別徴収することとなります。
原則として、全ての従業員が特別徴収の対象となりますが、次のいずれかに該当する方については、特別徴収をすることが困難であるとされ、普通徴収とすることができます。
A 退職者又は給与支払報告書を提出した年の5月31日までの退職予定者
B 給与の支払いがない月がある者
C 年間の給与の支払金額が930,000円以下である者
D 乙欄に該当する者
E 個人事業主の事業専従者
また、常時2人以下の家事使用人にのみ対して給与等の支払をする事業者は普通徴収を選択できることとされています。

上記A~Eに該当し、特別徴収をすることが困難な方については、事業主が市町村へ給与支払報告書を提出する際に、普通徴収申請書を提出し、かつ、その個人別明細書(市町村へ提出する源泉徴収票)の摘要欄にA~Eのいずれかに該当する旨の略号の記載が必要とされています。

普通徴収申請書による申請がない場合、A~Eに該当する場合であっても普通徴収とすることができなくなるため、今後の年末調整、給与支払報告書作成の業務の際には、ご注意ください。

定期同額給与の改正について

 法人の役員給与については、一定の給与でなければ損金の額に算入することができません。
 損金の額に算入することができる役員給与は以下のとおりです。
 ①定期同額給与
 ②事前確定届出給与
 ③業績連動給与
 
 ①の定期同額給与とは、その支給時期が1ヵ月以下の一定の期間ごとである給与で、その事業年度の各支給時期における総額での支給額が同額である給与とされていましたが、平成29年度税制改正の役員報酬の見直しにより、定期同額給与の範囲が拡充され、総額の支給額が同額のものだけでなく、
税及び社会保険料の源泉徴収等の後の金額(手取り額)が同額のものについても、定期同額給与として取り扱われることとなりました。
定期同額給与の金額の改定については一定の要件を満たすものでなければ、損金の額に算入することが出来なくなってしまう為、改正前の定期同額給与では、社会保険料の料率の変更時などは、金額に増減が出ておりましたが、今回の改正により同額の支給が可能となりました。

この改正は平成29年4月1日以後に支給又は交付に係る決議をする給与について適用されます。

ビットコイン(仮想通貨)の課税関係について

 ビットコインなどの仮想通貨は、近年、投資目的で運用する個人投資家が増え、市場が急速に拡大し利益を得る個人投資家もいる一方で、その税務上の取扱いについては明確でなく、判断が難しいケースもあるという問題点もありました。
そうした状況の中、今回国税庁よりタックスアンサーにて「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」が公表され、課税関係は以下の通りに整理されることなります。
 ①ビットコイン(仮想通貨)を使用したことにより生じた利益は所得税の課税対象となる。
 ②原則として、雑所得に区分され他の各種所得と合算され、総所得金額を構成し、超過累進税率(5%-45%)により課税される。
 ③ビットコイン(仮想通貨)を使用したことにより生じた損失については、損益通算は認められない。

 また、平成29年7月1日以後のビットコイン(仮想通貨)の譲渡については、消費税は非課税として取扱われております。

 課税関係は整理されることとなりましたが、個々の事案によりその所得区分等について、取扱いが異なることもありますので、ご注意下さい。

医療費控除の添付書類の変更について

 従来の所得税の確定申告の際、医療費控除の適用を受けようとする場合には、医療費の領収証又は医薬品購入費の領収証の添付又は提示が必要でした。
 平成29年度の税制改正により、平成29年分の所得税の確定申告書を平成30年1月1日以後に提出する場合の医療費控除又はセルフメディケーション税制の適用については、従来の医療費の領収証又は医薬品購入費の領収証の添付又は提示に変えて、医療費の明細書又は医薬品購入費の明細書を確定申告書に添付しなければならないこととなりました。
 改正後において、税務署長は、確定申告期限等から5年間、医療費の領収証又は医薬品購入費の領収証の提示又は提出を求めることができるとされ、税務署長よりその求めがあった場合には、納税者は求めに応じて、領収証の提示又は提出をしなければならないこととなっているため、医療費関係の領収証については、5年間の保存が必要となりました。
 なお、経過措置として、平成29年分から平成31年分までの所得税の確定申告については、改正前の医療費の領収証又は医薬品購入費の領収証の添付又は提示による、医療費控除又はセルフメディケーション税制の適用もできることとされています。

到着時免税店の導入について

 旅客の利便性の向上等の観点から、全国各地の空港等の到着エリアにおける免税店(いわゆる到着時免税店)の導入を可能とし、到着時免税店において購入した物品についても、現行の携帯品免税制度の対象に追加されることとなりました。
 
 携帯品免税制度とは、旅客がその入国の際に携帯して輸入する個人使用目的の物品については、一定の範囲内においてその物品に係る関税及び内国消費税(酒税・たばこ税を含む)を免除する制度です。

 到着時免税店の導入により、入国旅客の免税品購入の流れは、外国での外国購入品(A)、機内での機内免税品(B)、到着空港での到着時免税店免税品(C)の合計を携帯品申告(A+B+C)し入国手続きすることとなります。

 到着時免税店は平成29年4月1日より導入可能となっており、今後日本各地の国際空港にて設置が進められることとなります。

中小企業経営強化税制の創設について

中小企業の「攻めの投資」を後押しするとともに、サービス産業の生産性の向上を図るため、中小企業投資促進税制の上乗せ措置を改組し、中小企業経営強化税制を創設した上で、これまで対象外であった器具備品・建物付属設備についても対象設備に該当することとなり、一定の要件を満たせば、対象設備について即時償却又は10%の税額控除が選択適用することができるようになりました。

1.中小企業経営強化税制における一定の要件。

①青色申告書を提出する中小企業者等であること。
②平成29年4月1日から平成31年3月31日までの期間に取得すること。
③中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づく新品の取得であること。
④生産等設備を構成するものであること等。

2.対象設備。

①160万円以上の機械。
②30万円以上の測定工具又は検査工具。
③30万円以上の器具備品。
④60万円以上の建物付属設備。
⑤70万円以上のソフトウェアなど。
対象設備については、生産性向上設備(A類型)と収益力強化設備(B類型)とがあり、生産性向上設備に関しては最新モデルでなくとも対象設備に該当しますが、それぞれ工業会等や経済産業局より、証明書の取得や投資計画の確認を受けなければなりません。

各種証明書の取得や経営計画の認定、投資計画の確認などに時間を要することもありえますので、対象設備の取得の時期などについてはご注意下さい。

法人設立届出書等の手続きの簡素化について

平成29年度税制改正により、企業が活動しやすいビジネス環境整備を図る観点から、平成29年4月1日以後に提出する届出書等について、下記の手続きが簡素化されます。

1.登記事項証明書の添付省略

2.異動届出書等の提出のワンストップ化

①.登記事項証明書の添付省略について
法人の設立、解散、廃止などの届出書において添付が必要とされていた、「登記事項証明書」について平成29年4月1日以後提出分の対象届出書への添付は不要となりました。
<主な対象届出書>
法人設立届出書
収益事業開始届出書他

②.異動届出書等の提出のワンストップ化
現在、異動前及び異動後の納税地の所轄税務署長への提出が必要とされている届出書について、平成29年4月1日以後提出分の対象届出書については、異動後の納税地の所轄税務署長への提出は不要となり、提出先は異動前の納税地の所轄税務署長へワンストップ化されます。
<主な対象届出書>
所得税・消費税の納税地の変更に関する届出書
所得税・消費税の納税地の移動に関する届出書
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
異動届出書
消費税異動届出書他

ワンストップ化については、提出先が異動後ではなく、異動前の納税地の所轄税務署長であるので、提出先にご注意ください。

 

配偶者控除・配偶者特別控除の見直しについて

平成30年分以後の所得税について、配偶者控除及び配偶者特別控除について見直しが行われます。

配偶者控除の見直し

現行の配偶者控除では、納税者本人に所得制限は設けられておらず、配偶者の合計所得金額が38万円以下(給与収入ベースで103万円以下)の場合、配偶者控除として38万円の所得控除の適用となっておりますが、見直しにより、納税者本人の段階的な所得制限が設けられることとなりました。

納税者本人の合計所得金額と控除額

①合計所得金額が900万円以下の場合、控除額は38万円(老人配偶者の場合48万円)

②合計所得金額が950万円以下の場合、控除額は26万円(老人配偶者の場合32万円)

③合計所得金額が1,000万円以下の場合、控除額が13万円(老人配偶者の場合16万円)

④合計所得金額が1,000万円超の場合、適用はありません。

配偶者特別控除の見直し

現行の配偶者特別控除では、適用対象となる配偶者の合計所得金額は、38万円超(給与収入ベース103万円超)から76万円未満(同141万円未満)でしたが、見直しにより、38万円超(同103万円超)から123万円(同201万円未満)に引き上げられることとなりました。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者特別控除の適用を受けることができない点は現行のままです。

また、現行の制度では、配偶者の合計所得金額が38万円超(給与収入ベース103万円超)、40万円未満(同105万円未満)の場合、配偶者特別控除の控除額は38万円となり、配偶者控除の控除額と同額でしたが、今回の見直しにより、納税者本人の合計所得金額が、900万円以下の場合、配偶者の合計所得金額が38万円超(同103万円超)、85万円以下(同150万円以下)であれば、配偶者特別控除での控除額が38万円となり、配偶者控除と同額の控除を受けることができる配偶者特別控除の枠が引き上げられることとなりました。

この見直しは、平成29年分よりの適用ではなく、平成30年分以後からの適用である為、平成29年分については、現行基準での、配偶者控除・配偶者特別控除の適用関係となりますので、ご注意ください。

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