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不動産の一括検索

所有不動産記録証明制度

相続登記の義務化が進む中で、資産の把握漏れから過料となるペナルティを受けないようにこの制度を利用していかなければならないかと思いますが、まだ問題点も多く存在しています。
この制度は令和8年の2月からスタートしています。
これまでは各市町村が個別に発行する固定資産税台帳の名寄帳に頼らざる得ない状況でした。しかし名寄帳は自治体が管理していて、どの自治体に財産が存在するかを把握している場合には請求することが可能でしたが、全国の不動産から特定の人が所有権の登記名義人となっているものを抽出する仕組みは存在しませんでした。
国は2024年4月に相続登記を義務化し、相続人は不動産の取得を知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務化されました。
法改正以前に発生していた不動産についても適用の対象としています。
「正当な理由」なく放置した場合には10万円以下の過料という罰則も科されています。
とはいえ、問題は相続人ですら先代がどこに、どれだけの土地を持っていたかを把握することができないという点にあるので、すべての相続財産を登記せよ、と言われたところでやりようがありません。そこで導入されたのが「所有不動産記録証明制度」というわけです。
この制度は、すべての財産を確認することができるという万全なものではなく、登記簿に登録されている氏名、住所が請求書に記載された検索条件と完全に一致している不動産のみの抽出になります。購入した先代の住所が当時のものであり、その後、転居の伴う住所変更が行われていなければ、検索に反映されないことになり、漏れてしまう可能性が非常に大きいという状況です。
さて、すべてを検索することも非常に難しく困難を極める中、さらに難しいのはその財産の登記になるかと思います。
相続人の確認をどのようにするのか、不明者がいた場合の手続きの煩雑さを考えると、到底今の制度で過去を訴求して相続登記を行うことは困難です。
相続から20年以上になると、亡くなったものも発生し、相続人は何十人もの数になるかと考えられます。登記の抜本的改正がなければ、相続登記は進まず手続きの困難さばかりが残るので、登記の簡素化が期待されます。

新年あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。

本年は、丙午の干支となり、情熱や強さ、スピード感、情熱や勢いが高まり、エネルギーのある大きな飛躍の年と言われています。

昨年より、モノの価格上昇、上場株式の日経平均株価の5万円台への上昇、税制の改正、急激な変化は我々のみならず、多くの企業が直面し、乗り越えなければならない状況に直面しているかと思います。

この状況を冷静に受け止め、更なる研鑽を重ね、クライアント企業様と共に乗り越えてゆく決意でございます。

皆様におきましては、健やかで実りの多い一年になることを、祈念しております。

本年も宜しくお願い致します。

特例有限会社の事前確定届

事前確定届出給与は、役員の職務について所定の時期に確定した金額に基づき支給される給与で、定期同額給与と区別されます。職務の執行の開始日から1ヶ月以内等の所定の時期までに「事前確定届出給与に関する届出書」を署に提出することになります。

この職務執行の開始の日は、通常、株式会社であれば定時株主総会が開催されるため、定時株主総会で就任、再任された役員は、その株主総会の開催の日が職務執行の開始日となります。
特例有限会社の場合、会社法上の株式会社として存続しますが、「会社法施行に伴う関係法律の整備に関する法律」に取締役にかかる任期の規定等が適用されないようになっています。
特例有限会社は、取締役の任期を原則2年等とする会社法に規定が適用されないので、事前確定届出給与の届け出が記載できません。よって、適用を受けることができないことになります。
役員の任期を定めていない特例有限会社は、定期同額給与等を使うか、事前確定給与の届け出を出すためには定款等に役員の任期を定めている必要があります。

オンラインツールによる税務調査

国税当局は、企業への調査においてオンラインツールによる「リモート調査」を全法人に対象を拡大する方針を明らかにしています。
コロナのパンデミック時に、国税当局はオンライン調査を試行してきました。22年10月から、当局が用意したシステムによる調査を進めています。
当初は資本金40億円以上の大企業が対象でしたが、次に資本金1億円以上の企業、そしてすべての納税者、法人に拡大となりました。
今回、オンライン調査を採用するのは金沢国税局、福岡国税局の管内税務署に限定されます。ただ、1年以内には全国でオンライン調査が実施されるとのことです。
9月にスタートするオンライン調査では、調査に当たってデジタル庁が提供する政府共通の業務実施環境の「GSS(ガバメントソリューションサービス)」を利用します。このGSSは政府関係職員が使うものになります。
国税庁がかねてよりすすめている「KSK(国税総合管理システム)」は、26年度にKSK2に移行することになっています。
GSSとKSK2の両者が揃い、連携されると情報の一元化がさらに進むでしょう。

親族間の貸し借り

親と子や祖父と孫、親族間の貸し借りでは金銭消費貸借契約を交わさない。返済や利息の払いも決めないお金のやり取りを行ったケースの場合、貸し借りの事実を証明するすべがないため、国税当局から贈与とされ、贈与税の課税対象となってしまいます。贈与額が高ければ贈与税の税率は上昇します。
裁判所の判決によれば、「親族間で財産的利益の付与がされた場合、特別の事情が存在しない限り贈与があったものと認めるのが相当である」「貸与が明らかでない限り、贈与があったものと認めるのが相当」と認識を示しています。

親族間の資金移動が金銭の貸借だと主張するためには以下の要件を準備することが大切です。

1.金銭消費貸借契約書を2通作成し、双方の所有とする。
 日時を明確にするためには、公証人役場で確定火の日付印を押してもらうと明確に贈与日が確定できます。

2.返済履歴の明確化。
 形式的に賃貸としているが、返済の形跡がない。出世払いと言ったりするが、借入金そのものが贈与になるので、預貯金の通帳を通じて履歴を残すのがよいでしょう。

3.契約書の作成時に借入金にかかる利息を設定する。
 借入金が無利息の場合、利子相当額の利益を受けたものとして贈与として取り扱われる場合があります。通達で、夫婦間や親子の場合の特殊関係間のある者のあいだで交わされた金銭貸借の利息は、その受ける金額が少額である場合は強いてこの取り扱いをしなくても妨げないものとすると記載があります。しかし、少額と示す金額の記載はありません。

将来にわたるリスク、あらかじめの準備をもっての対応が必要になるかと思います。

税務調査のWEB会議システム

令和7年9月より、税務調査がWEB会議システムにより段階的に行われるそうです。
調査官と納税者がメールでやり取りをすることも含まれています。
国税庁は税務調査のデジタル化を一気に進め、GSS(ガバメントソリューションサービス)の導入に伴い、法人、個人、消費税、源泉所得税だけでなく、相続税、贈与税、資産税についてもオンライン調査の対象としています。
オンライン調査等の対象となる「調査等」とは、実地の調査、行政指導、書面添付制度に係る意見聴取が該当します。

手順としては、
①インターネットメールでの連絡
②事前通知後の調査官とのやり取りをメールで行い、調査に必要な資料の請求をする。
③WEB会議システムによる面談
④調査に係る質問、回答のヒアリング
⑤帳簿書類等の資料のデータの受け渡し

オンライン調査等の活用に、納税者及び調査官双方が効率的に調査の対応ができるとありますが、本当にそうでしょうか。どうしても一方的な立場からの言葉になる様な気がします。

防衛特別法人税

令和7年の改正税制で「103万の壁」はクローズアップされましたが、それに隠れた法人課税があります。
「防衛特別法人税」根拠は、我が国の防衛力抜本的な強化等のために必要な財源を確保することです。課税期間は当分の間となっていますが、期限に定めがないので廃止されるまで継続されます。

課税の内容ですが、法人に対して4%の新しい付課税として課せられます。
中小企業に関しては、法人税から500万円を控除され、超える部分が課税標準法人税額になります。
課税事業年度は、令和8年4月1日以降に開始する課税事業年度からの適用です。

防衛増税の一環でたばこ税率の引上げなども実施されますが、防衛力の強化のための財源確保策として法人税、たばこ税、それに増税される予定の所得税は、引き続きの検討となりました。
103万の壁と所得税の防衛課税、相容れるのは困難であると考えられたのでしょう。しかし、所得税増税は継続検討されていくことになります。

7年度税制改正

7年度税制改正が3月31日に参議院本会議で可決されました。
4月1日から施行されています。

まず、話題となった所得税の基礎控除の見直しについては、基礎控除、給与所得控除、特定親族特別控除の創設が行われ、令和7年12月に行う年末調整など令和7年12月以降の源泉徴収事務に変更が乗じます。
令和7年11月までは、源泉徴収事務に変更はないとのことです。

1.基礎控除の見直し
合計所得金額に応じて基礎控除が変更されます。

                 改正後   改正前   令和9年以後
合計所得金額132万以下       95万    48万     
合計所得金額132万超336万以下    88万    58万    58万
合計所得金額336万超489万以下    68万    58万    58万
合計所得金額489万超655万以下    63万    58万    58万
合計所得金額655万超2,350万以下   58万    48万    
合計所得金額2,350万超        0

2.給与基礎控除の見直し
給与所得控除について55万円の最低保障額が65万円に引上げられました。それに伴い、令和7年以後の「年末調整等の為の給与所得控除後の給与等の金額表」が変更になりますが、源泉徴収票の税額表は令和8年以降からの変更です。

3.特定親族特別控除の創設
特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人をいいます。特定親族一人につき、その特定親族の合計所得金額に応じて最高63万円が控除できることになります。
例えば、大学生でアルバイトをして生計を立てている親族は、居住者が特定親族特別控除を受けるためには、合計所得金額が58万円超の額なのでアルバイトの給与総額では123万円超の額で控除の対象となります。

4.扶養親族等の所得要件
扶養親族及び同一生計配偶者の合計所得金額の要件 58万円以下
ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の合計額の要件 58万円以下
勤労学生の合計所得金額の要件 85万円以下

以上のような改正になります。

相互関税とは、どのような意味

アメリカのトランプ大統領が今、打ち出している25%関税ですが、日本にも車、衣料品、半導体に関税をかけるとしています。
貿易で不平等な状態になっている相手国に対して「相互関税」を設定していく方針を打ち出しました。

「相互関税」とは、2国間で相互に対等な税率の関税を設定し合うという意味ではないことを考えておかなければなりません。
トランプ大統領の外交交渉は「関税」を外交のカードとして利用しています。
アメリカに工場などを作り、アメリカへの投資をもって生産を行うと関税はかからないことを表明し、雇用の拡大、失業率の低下を目標にしているのです。

「相互関税」とは非関税障壁の撤廃、の意味に他なりません。
アメリカの製品に高い関税をかける国、規制や商い的習慣などの障壁の多い国も標的にすることになります。
日本をターゲットにしたアメリカが考える規則の中には消費税が含まれています。アメリカからすれば消費税も関税に当たるからです。
消費税は輸出企業を援助するという目的が強い税額で、リベートを渡す機能があります。日本では還付と呼んでいます。
日本の輸出企業が国内で製品を作ると部品の調達先に消費税を払います。しかし、海外への売上は消費税が課税にならないため、払いすぎた消費税は還付になり、明らかに貿易補助の役割を果たしています。

日本の商品とアメリカの商品の価格が同じで両国関税をゼロとした場合、100ドルの製品は10%の消費税かかるので、日本企業は90ドルまで下げることが可能になります。
一方、100ドルのアメリカの製品は日本国内では10%の消費税がかかるので、110ドルになってしまいます。
日本の消費税は実質的に20%の関税になるという考えです。
この非関税障壁も対象と考えられ、関税25%を課すとなっているのです。

令和7年度税制改正の大綱

令和6年12月27日、令和7年度税制改正の大綱が閣議決定されました。
物価上昇局面における税負担の調整と就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除の控除額及び、給与所得控除の最低保障額の引上げ、並びに大学生年代の子等に係る新たな控除の創設を行うことになりました。
まず、中小事業者を対象とする法人税軽減税率の優遇特例は2年間延長され、「年収の壁」は123万円に引上げられます。

中小事業者が対象の法人税の軽減率の優遇特例は、26年度末までの2年間延長されることになりました。
法人税率は原則23.2%ですが、資本金が1億円以下の中小事業者は800万円以下の所得に対して15%の軽減税率が適用されています。大綱ではこの一律の適用を見直し、10億円超の所得がある企業は800万円以下の部分の税率を15%から17%に引上げています。

「年収の壁」は現行の103万円から123万円に引上げられます。
給与所得控除について、55万の最低保障額を65万に引上げます。
上記の改正は、令和7年以後の所得税について適用されますが、給与所得の源泉徴収税額表等の改正は、令和8年1月1日以後に適用されます。

大学生年代の19~22歳の子を扶養する親の税負担を軽減する特定扶養控除に関しては、特別控除を創設し、子の年収制限を103万から150万に引上げます。

結婚、子育ての資金を一括で贈与すると、贈与税が1千万円まで非課税となる特例については、2年間継続する方針を盛り込んでいます。