平成29年分の所得税の確定申告の申告期限は平成30年3月15日までとなります。
個人の確定申告において、青色申告の承認を受けているか、白色申告であるかは、その個人の申告納税額に大きな影響を与えることとなります。
我が国の所得税は、1年間に生じた所得金額を正しく計算し申告する申告制度が採用されています。収入金額や必要経費に関する日々の取引の状況を記帳し、また、取引に伴い作成又は受領した書類を保存しておく必要があります。
青色申告の要件
その中でも青色申告は、一定の水準の記帳をし、その記帳に基づいて正しい申告をする人について、所得金額の計算などにおいて有利な取り扱いを受けることができる制度のことです。青色申告の制度を利用することができる個人は、不動産所得・事業所得・山林所得がある個人で、納税地の所轄税務署長に青色申告承認申請書を提出し、その承認を受けた個人です。
青色申告の帳簿書類とその保存と特典
青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるような正規の簿記の原則によること(一般的には複式簿記)が原則ですが、現金出納帳などの帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいとされています。
これらの帳簿及び書類は原則とし7年間保存することとされています。
青色申告の特典のひとつに青色申告特別控除というものがあります。
青色申告特別控除とは、不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいる青色申告者で、これらの所得に係る取引を正規の簿記の原則(一般的に複式簿記)により記帳し、その記帳に基づいて作成した貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付して法定申告期限内に提出している場合には、これらの所得から最高65万円を控除する特典です。
それ以外の青色申告者については、不動産所得・事業所得及び山林所得を通じて最高10万円を控除する特典です。
その他にも、純損失の繰越と繰戻など有利な特典が多数与えられています。
白色申告の記帳・記録保存制度
白色申告者についても記帳制度や記録保存制度が設けられているため、青色申告でなくても記帳は必要となります。
記帳の対象となるのは、所得税の申告の有無に関わらす、事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき業務を行う全ての方であり、記帳の内容は、売上などの収入金額、仕入れや経費に関する事項の、取引の年月日、相手方の名称、金額などで、一つ一つの取引ごとではなく、日々の合計金額をまとめて記載するなど、簡易な方法でもよいとされておりますが、法定帳簿の保存期間は7年間とされています。
所得の種類や規模により、作成・保存する帳簿書類は異なることとなりますので、ご注意ください。