講演料、税理士、弁護士等の一定の報酬、料金等については、原則として消費税額等を含めた税込価格が源泉徴収の対象となります。
ただ、報酬等を請求する者が発行する請求書等に報酬等の「本体価格」と「消費税額等」が明確に区分されている場合は「本体価格」のみを源泉徴収の対象とすることができます。
インボイス制度下において、免税事業者に対して支払う報酬等の場合、報酬等を支払う者における仕入税額控除が経過措置期間に応じて異なっています。
最初の3年間は仕入税額相当額の80%、次の3年間は仕入税額相当額の50%が仕入税額控除の対象となりますが、6年間の経過措置終了後は仕入税額相当額の全額について仕入税額控除を行えなくなります。
法人税では、この経過措置を仕入税額控除対象外部消費税額20%を対価の額に含めることになります。
しかし、源泉徴収の対象となるのは仕入税額控除対象外部に関係なく、請求者から交付された請求書等に本体価格と消費税が明確に区分されていれば、請求書等に記載されている「本体価格」のみとなります。
例えば、免税事業者に報酬料金11,000円(税込)を支払い、経過措置の仕入税額80%を仕入税額控除の対象とする場合、
支払報酬 10,200 / 現金 11,000
仮払消費税 800 /
となりますが、源泉徴収の対象となるのは10,200円ではなく、10,000円に対して源泉徴収を行うことになります。
インボイス制度下でも取り扱いに変更はありません。