免税事業者等からの課税仕入等については、仕入税額控除の適用が期間に応じて一定割合の控除ができなくなります。
法人税では、この一定割合が控除できない額についている「対価の額」に含めて、課税所得の計算をすることとされている為、仕入時に「対価の額」に含める処理が求められます。
一定割合の控除の制限とは、
R5.10.1~R8.9.30は仕入税額相当額の80%
R8.10.1~R11.9.30は仕入税額相当額の50%
R11.10.1以降はなし
6年経過すると免税事業者の仕入相当額全額に仕入税額控除を行えなくなります。
例として経過措置80%控除の場合、仕入額100,000円、消費税(10%)10,000円の商品税込110,000円の仕入、税抜き処理の場合
仕入 100,000 現金 110,000
仮払消費税 10,000
仕入 2,000 仮払消費税 2,000
となります。
決算時に対応する方法として仕入時は現行と同様の処理を行いますが、この場合免税事業者から経費を支払った場合と棚卸資産を仕入れた場合に分けて考えなければなりません。
①経費を支払った場合
消耗品費 100,000 現金 110,000
仮払消費税 10,000
雑損失 2,000 仮払消費税 2,000
②棚卸資産を仕入れた場合
期末在庫の有無で申告調整の必要性が変わります。
無しの場合、調整は必要ありませんが、棚卸が有りの場合は調整が必要です。
仕入1本100,000、個数20個、税抜2,000,000の場合
仕入 2,000,000 現金 2,200,000
仮払消費税 200,000
雑損失20% 40,000 仮払消費税 40,000
棚卸が無い場合は上記のような仕訳になりますが、棚卸5本500,000の商品がある場合
商品 500,000 仕入 500,000
この消費税10% 50,000×20%=10,000が仕入原価にならないため、対価の額に入れられないので10,000は別表4加算、別表5(1)増加となり、調整する必要が出てきます。