相続税「小規模宅地等の特例」について

相続税の計算において、小規模宅地等の特例は、被相続人(故人)の有していた宅地等を相続等により取得した相続人の事業又は生活を維持するために設けられているもので、利用されることの多い特例です。
今回は、特例制度の内容と平成30年度税制改正についてお知らせ致します。
1.制度の内容
個人が相続等により取得した財産のうち、その相続の開始の直前において、その相続等に係る被相続人等の事業の用又は居住の用に供されていた宅地等で建物又は構築物の敷地の用に供されているもの(以下「特例対象宅地等」)がある場合には、その相続等により財産を取得した者に係る全ての特例対象宅地等のうち、小規模宅地等の特例の適用を受けることを選択したもの(以下「選択特例対象宅地等」)については、限度面積用件を満たす場合のその選択特例対象宅地等(以下「小規模宅地等」)に限り、相続税の課税価格に算入すべき価額は、通常の方法に評価した価額から、その小規模宅地等の区分により、一定の評価減を控除した金額となる特例です。
特定居住用宅地等の場合・・・80%の評価減となります。
貸付事業用宅地等の場合・・・50%の評価減となります。

2.改正について
小規模宅地等の特例は、面積の制限などはありますが、相続人の居住や事業の継続の為に最大80%の評価減が認められていますが、この制度の趣旨から逸脱した節税目的の利用も多く見受けられていたため、平成30年度税制改正において、小規模宅地等の評価減特例を利用した節税が制限されました。
①特定居住用宅地等について、持ち家がない相続人等の要件の見直し
②貸付事業用宅地等について、対象宅地の範囲の見直し

この改正は平成30年4月1日以後の相続等により取得する財産に係る相続税について適用となります。
小規模宅地等の特例は、適用要件、面積制限などが煩雑である反面、その特例を利用することによる効果も大きいものです。
個別の案件についての適用関係については、ご注意ください。

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